鍼灸(はり・きゅう)にどのようなイメージをお持ちですか?
「痛そう」
「効きそうだけど、なんだか怖い」
「太い針を刺されるんじゃないの?」
「肩こり、腰痛に効きそう!」など、当院では初めて鍼灸をされる患者様からこのようなご意見をいただきます。鍼灸と東洋医学っていきなり聞いてもピンときませんよね。なんだか怪しい雰囲気を感じられることもあると思います。
最近ではテレビで東洋医学とともに鍼灸治療も紹介されるようになってきました。
ですが、いまだに鍼灸の効果に不安や疑問を感じられる方もおられるのではと感じております。実は私も昔、恥ずかしながら初めて鍼灸治療をうけるまでは東洋医学や鍼灸そのものを疑っておりました。実際にうけてみて鍼灸の素晴らしさに感動したことを今でもハッキリ覚えています。
そんな鍼灸治療について、もしこれから鍼灸治療を受けてみようとお考えの方の参考になればと思い、今回この記事を書かせていただきました。
もしご興味のある方は、お時間のある時にご覧いただければ幸いです。
鍼灸とはなにか?
鍼灸治療は身体にあるツボに刺激を与えることによって、全身のバランスを整え、不調を改善していく治療法です。
以前は東洋医学が主体でしたが、今では病院などでも研究されるようになり、西洋医学的な治療も行われています。
『鍼灸は身体全体を見る医学です』全身を見ることによって、病気の反応がどこにあるのかを探り、そこにアプローチを行い治療します。痛みやコリだけでなく、自律神経や姿勢を改善することも可能です。
当院では東洋医学と西洋医学からアプローチを行い『人の持つ自然治癒力を最大限に引き出す』そんな鍼灸治療を行っております。現代社会はストレス社会とも呼ばれ、体の不調を感じられる方が多く、鍼灸のような治療が今求められているのではないかと考えております。
鍼って痛くないの?
当院での鍼は髪の毛より細いものを使用いたします。そのため、ほとんど痛くありません。まれに毛穴に入ると”チクッ”とした痛みを感じることはあります。
筋肉に刺激が入ると「ビクン」「ズーン」という反応があることもあります。これは”ひびき(得気)”と呼ばれるもので、固まった筋肉や、悪い状態の場所ほどこういった反応が出ることがあります。
鍼灸師においてもひびかせることが好きな先生もおられます。しかし、苦手な患者様の場合においてはひびかせることによって、過刺激による症状の悪化を招いてしまうことがあります。
もし苦手な方は事前にお申し出ください。
※鍼に恐怖を強く感じる方では、刺さなくても「痛い!」とおっしゃられる方もおられます。感受性の問題もございますので、他の治療と併用いたします。
鍼と注射針の違い
初めての患者様に「鍼って注射針と同じではないんですか?」とご質問をいただきます。
実は、注射針は薬液を入れるように作られており、鍼とは違った加工になっております。
注射針の太さは 0.4~0.45mm(皮内注射) 採血であれば0.6~0.8mm
鍼の太さは 0.10~0.35mm
※日本人女性の髪の毛の太さは平均0.08mmとされています。
注射針の先端は皮膚や血管を破るためにナイフのような加工です。
鍼は皮膚や筋肉をかき分けて入るように、先端が丸みを帯びています。(松葉型、柳葉型)そして、抵抗なく滑らかに入るように潤滑油でコーティングしてあるので、刺入時の痛みがなくなります。
さらに、日本では主に管鍼法と言って、金属・合成樹脂の筒を使用して刺入します。そうすることによって痛みを抑えることができます。
お灸って熱くないの?
艾(もぐさ)を用いて経穴(ツボ)に熱刺激を加える方法です。一般的には「おきゅう・やいと」と言われています。方法は3つあります。
※当院の施灸は①の八分灸をおこない、やけどや灸痕は残しません。
①直接皮膚にのせて着火させる直接灸:もぐさの大きさは米粒大、半米粒大、糸状などが一般です。燃やし切ると水ぶくれや火傷の跡が残ります。やけどや灸痕を残さない方法を八分灸といい、もぐさが燃えきる手前で指で消します。
②もぐさと皮膚の間を空けて行う間接灸:もぐさと皮膚の間ににんにくやショウガ、塩などの熱の緩衝材を入れて温和な熱さにしておりますので気持ち良いです。
③その他:鍼の先端にそら豆大のもぐさを取り付けて点火する灸頭鍼や、遠赤外線やレーザーにて熱刺激を伝える科学的な試みも実用化されています。
鍼灸の効果
〇体調不良を改善する
〇免疫力を強化する
〇内臓機能の正常にする
〇血流を良くし、自然治癒力を高める
その他にも下記のような効果が認められています。
当院での鍼灸治療
①問診:当院では最初に丁寧にお話をお聞きします。痛みの具合や経過、原因など、生活習慣を含めて問診させていただき、原因を見極めます。
②検査:脈診や舌診、腹診や背部視診などで症状を見極めて、治療方針をご説明いたします。
※当院では西洋医学的な検査も行い、安心して頂けるように心がけております。
③治療:患者様が納得されましたら治療をいたします。
④治療後の検査:治療後に症状が改善しているかチェックします。
⑤日常でのアドバイス:体の状態をご説明し、日常でのアドバイスをお伝えさせていただきます。
西洋医学に基づく鍼灸治療
主に解剖学、運動学に基づいた治療です。トリガーポイントや筋膜経線に沿って治療します。
はり・おきゅうにより問題のある皮膚や筋肉に刺激をあたえることによって、脳からの指令でその場所の修復・鎮痛がおこなわれます。硬くなった(こった)筋肉も元の正常な状態にもどされます。
当院では、問題のある場所と、その原因を作っているゆがみも整えていきます。そうすることにより最短で症状の改善が期待できます。
東洋医学に基づく鍼灸治療
こちらの治療では主に、ツボ(361穴)を用いた治療を行います。東洋医学において、人は気・血・津液がバランスを保つことで身体を安定させています。そのめぐりが乱れると不調を起こし、病気となります。鍼灸は気・血・津液のバランスを整えることによって体を改善させます。
その他、病気になる前に予防する『未病を防ぐ=未病治』こともできます。
西洋医学的未病:自覚症状はないけれども、健康診断で検査値が悪化している。
東洋医学的未病:なんとなく体調がすぐれないけれど、病院で検査をしても異常がないなど。
難病に対しての鍼灸治療
特定疾患とも呼ばれ、西洋医学では治療法が確立されておらず、原因も解明できていないものを難病といいます。今は130種類ほど認定されています。このような難病に対して東洋医学を行うと、症状が改善したり、緩和することもできます。継続的な治療が必要になりますが、当院ではそんな患者様も全力でサポートしております。
あきらめないで。身体は必ず応えてくれます。
今現在、国内では鍼灸治療は大きい病院などでも取り入れられ、効果は科学的にも証明されてきています。
海外においても鍼灸は医療として認められ、研究をされています。
長引く肩こりや腰痛・神経痛など、お体の事でお悩みであれば鍼灸は本当に効果的です。体質改善においても、時間はかかりますが、根本から改善することができます。あきらめないで、一度お近くの鍼灸院にて治療を受けてみてください。
身体は必ず応えてくれます。そう私は信じております。
柔道整復師・鍼灸師 山田祥二
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